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花粉症と鍼治療

2月も中旬となり、早い方だと既に花粉症の症状が出てきているようですね。
今や日本人の4人に一人が花粉症と言われています。
(*)馬場廣太郎 ほか
鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-
Prog. Med. 28:2001-2012,2008

ひょっとして、このブログを読んで頂いているあなたも花粉症かもしれないですね。

花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎ともいわれ、原因となる花粉の飛ぶ時期にのみ症状がでます。春先はスギ花粉ですが、全部で60種類以上の植物が花粉症の原因となるそうです。
・・・これって、ちょっと不思議に思いませんか?
日本の領土に占める山間部の割合はおよそ7割程度。日本の国は、植物に覆われていると言っても過言ではないと思います。・・・となると、花粉だらけですよね・・・。
春先の花粉症の原因となるスギなんて、山間部に近い地方ではそれはもう多いでしょうし、住んでいる人達も花粉にまみれて花粉症だらけのハズ・・・。

でも、花粉症って都会の方が患者さんが多いって知ってますか?

スギ花粉の量が増えたら花粉症がひどくなるのなら、絶対的にスギに囲まれている地方の方が花粉症が多いはずなのに、実際はそうではなかったりします。

何故なんでしょう?

それは簡単なことで、花粉症はスギ花粉が原因でなるものではないからなんです。

花粉症になるのは、もともと免疫力が弱い人です。アレルギー体質、ともいわれます。
もって生まれた免疫力がもともと正常値より弱いために、花粉などの異物が体内に入ってきた時に過剰に反応をしてしまうのです。
だから、花粉症の人は、花粉だけでなくハウスダストだったり食べ物だったり、花粉以外にもアレルギー反応を起こす人が殆どです。
ですから、花粉症の治療は、本来は「免疫力を正常に戻す」だけで済むんです。
とてもシンプルだと思いませんか?

でも、花粉症で病院にいっても「免疫力を正常に戻す」ことはしてくれません。
病院では、花粉症によって引き起こされる症状を抑えるための対処療法がとられることが殆どなんです。

具体的には、花粉症の症状としては、
1.鼻(くしゃみ、鼻みず)
2.目(かゆみ、なみだ、充血など)
3.ノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなど
があります。

病院では、まずこの症状を発生しないようにさせることに主眼を置いて、治療を行うんです。多くは、以下の3パターンになります。

◎薬物療法
花粉症治療の中心になるのは薬物療法です。人によって、症状が変わるためそれに合わせて、症状を抑える薬が処方されます。同じ働きを持った薬でも、様々な種類があります。

◎減感作療法
減感作療法(特異的免疫療法)は、花粉症の原因となっている抗原を、少しずつ量を増やしながら注射をしていき、抗原に対する反応を弱めていく方法です。2~3年という長い期間の治療が必要となります。基本的な考え方は、インフルエンザの予防接種と同じです。問題としては、個人毎に適正な抗原の量が分からないため、ニュースで報じられるように、子供や老人が予防接種をすることで(その人にとって過剰な抗原が体内に直接注入されることで、逆に病気を発症させてしまい)死亡につながることがあります。

◎手術療法
手術療法は、主に鼻づまりの症状が強い患者さんに対して行われます。鼻の粘膜(下鼻甲介)を切除して小さくする手術で、最近では、レーザー手術など、入院をせず外来で行える方法が普及してきました。
また、鼻みずを分泌する腺を刺激する神経を切って鼻みずをとめるという手術もあります。
鼻づまりだけでなく、くしゃみ鼻みずの症状にも適応が広がりましたが、再発もみられます。

これらのいずれも、症状を軽くするための方法であり、今の医学では、花粉症を根本的に治療する方法は出てきていません。

花粉症の症状というのは、身体そのものの働きとしては、体内に異物が入ってきた時にそれを排除するための正常な働きなのです。
これを、薬を使って「正常な働きをしないように抑える」ために、逆に、もともと弱い免疫力をさらに弱めている結果にしかなりません。
花粉症の症状が年々ひどくなるのは、薬によって免疫力を低下させるために起こる現象です。

これに比べ、鍼など東洋医学の治療法は、元来体に備わっている免疫力・自然治癒力を強化して、副作用の心配も無く、アレルギー体質を根本から改善します。
もともと、花粉症のようなアレルギー体質の方は、基本的に呼吸器系が弱く、アレルギーを抑える副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンの働きが低下しています。このため、薬などで症状を抑える対症療法だけでは根本的に治すことはできないのです。

東洋医学の考えでは、花粉症の発症には、患者さんがもともと持っている体質が大きな要素となります。
ちなみに、古代医学書には「キュウ鼻(きゅうび)」という言葉で記された疾患があり、その症状は「突然に鼻がムズムズし、くしゃみが止まらず鼻水が流れる」とあります。ですから、アレルギー性鼻炎というのはかなり昔からある病気で、それに対する治療法もかなりありました。このキュウ鼻といわれる疾患は、体質やその時の体調が悪いために、体に歪みが生じ、ひきおこされると考えていました。そのため、体質を改善して症状を押さえようというのが、基本的な治療です。

人間の免疫力というのは、貯金をすることが出来ます。
免疫力も、体調によって上がったり下がったりしますが、もともとたくさんの免疫力をもっていると、無理をしたりしても今ある免疫力を使って身体はトラブルに対応します。
何かあった時に、免疫力の貯金がないと薬を使って、免疫力の借金をすることになります。
借金をすると、利息をつけて返さないといけないですよね?薬を使うということは、免疫力を借りてくるのと同じで自分のものではありません。だから、正常な状態に戻すまでには、利息分の努力が必要になってくるんです。

例えば、年に1回、花粉症の症状が出てくる前の時期に注射をすることで、その年の花粉症の症状を抑えることも出来ます。こういった場合は、殆どが強いステロイド剤を注射しています。これは、花粉症の時期には、症状の発生を抑えることが出来ます。これは、1回に多額の借金をするので、借りた時は経済的にも精神的にも楽になるのと同じです。1年かけてゆっくりと、借りたお金を使うことになります。ただ、翌年、返済の時期になるとどうなるでしょう?花粉症の時期になると、借金を返済するために、さらに借金をすることになります!・・・大変ですよね?身体の免疫力はどんどんマイナスになってしまいます。

鍼を使った治療では、薬を使用しないので借金をするのではなく、自分の力で貯金を増やすことに繋がります!

それに、眠くならないですし、何より人が本来持っている免疫力・自然治癒力を正常な状態に戻すため、花粉症以外の病気の予防にもつながるんです。

なかなか花粉症の症状が良くならないあなた、ぜひ一度、鍼治療を試してみて下さい!

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