アトピー性皮膚炎の分類~第五グループから第六グループ

第五のグループ(成人期アトピー性皮膚炎)

20年から30年以上のステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の長期使用によるアトピー性皮膚炎にあたります。

これは、10年、20年ないし30年以上、ステロイド剤を外用、内服、注射などといった形で連用した結果、薬では痒みやただれなどの症状に効き目がなくなり、全身で正常な皮膚は足の裏しか残らないという状態をさします。
特に顔にひどく出るようになると毎日薬を塗り、会社や学校に行くとしても痒みで眠れず、眠れないために会社や学校に行けないという状態になります。
毎日、ステロイド剤を塗ったり飲んだり、合わせて精神安定剤や睡眠薬を常用するようになります。
病状の軽減・再発を繰り返してきた現状に治る見込みも見いだせずに、仕事・結婚・出産に精神的にも肉体的にも耐えがたい日々が続きます。
いろいろな民間療法も試したけれど、ステロイド剤のような効果もなく人生観が暗くなってきます。

<成人期アトピー性皮膚炎に対する当院の治療方針>

当院に来られる患者さんは、この状態の方が多いです。
こんな重症のアトピー性皮膚炎でも、殆どの場合、5ヵ月から1年の治療でで身体中に劇的な変化がみられます。
10年から30年以上ステロイド剤の連用してきた方のために、少なくとも最初の2ヶ月は集中して毎日陳氏針法の治療が必要です。(陳氏針法の治療法を参照)
これが出来るかどうかが、その後の回復するまでの治療期間を大きく左右します。

第六のグループ(成人期に初めて発症)

成人になって初めて、アトピー性皮膚炎になったケースです。

これは、心身症の症状として発症すると考えられますが、実際には問診の結果、以下のような特徴がみられます。

  1. 仕事、出産、育児、人間関係、経済的な悩みなどでストレスが長期的にたまる一方で、発散出来ないもしくは発散しにくい状態にある。
  2. アトピー性皮膚炎を発症する前に、発疹、花粉症、膠原病、円形脱毛症、喘息、手術、虫に刺されるなどでステロイドを使用していた。または、現在使用している薬がステロイド剤とは知らなかった。
  3. ステロイド剤とアトピー性皮膚炎に理解が十分でない。

<アトピー性皮膚炎に対する当院の治療方針>

実際に、アトピー性皮膚炎の発症には、「ステロイドの影」がほとんどの場合みられます。
当院の初診の患者さんに対し、2時間以上一対一のカウンセリングを実施して以来「アトピーとステロイド剤」は必ず関係していると確信していました。

このグループの方には、患者さんのアトピー性皮膚炎の発病と生活環境の関係を詳しく説明し、理解して頂ければ、ステロイド剤への依存が浅い場合は治るまでの期間が他のグループよりも早い傾向があります。

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