【症例34】網膜色素変性症

網膜色素変性症

患者さんが疑っている病名  
病院で告げられた病名 網膜色素変性症
診断名 網膜色素変性症、不安神経症、自律神経失調症、不眠症
既往症  

概略

80代、女性。

網膜色素変性症は、8~9年前に発症。12年ほど前に、白内障手術を行う。

心臓弁膜症は、老化現象と言われ手術はしていない。

年とともに目の視力が低下し、現在は殆ど見えない。(明暗が分かる程度。)

両目共に夜盲で、視野狭窄のため、右目は見えない状態、左目は指が動くのは分かる程度の視力しかない。

老人ホームに入居しており、視力が悪いことから車いすで移動。

不安の為か、一日中大声を発する(特に夜中)等があり、大量の強い催眠剤、抗不安剤、抗神経薬が処方されている。

本人は視力が早く戻りたいという意識がかなり強く、当院へ来院した。


病歴

現在、服用している薬は、目の薬、抗神経薬など12種類ある。
具体的には、以下となる。

1.ルスパダール(抗精神病薬)

2.グラマリール(脳代謝賦活剤)

3.セロクエル(抗精神病薬)

4.マイスリー(超短期作用の催眠剤)

5.ジルテック(抗アレルギー剤)

6.アタラックス(抗不安剤)

7.マグミット(下剤)

8.ヨクカンサン(漢方薬)

9.リスミー(睡眠薬)

10.ホクナリンテープ(気管拡張剤)

11.アダプチノール(目の薬)

12.オルメテック(降血剤)


治療の経過

陳氏頭皮針、眼針にて治療を行うことにしました。

治療2回目で、数日間、夜中に大声を出すことがなくなりました。介護をする方が「早く鍼治療をしに行った方がいい」と冗談を言われていました。

治療7回目で、本人より「先生の手が見えた」と話がありました。実際に、本人の目の前で指が何本見えるか聞いたところ、正解を答えることが出来ました。また、通院時の介護タクシーの中から、外の車が動いているのが見えたそうです。

治療8回目では、視力はさらによくなっていました。

治療30回目の後、老人ホームの中で、自分の部屋に早く帰りたいとの気持ちで介護者に「今は○時ですよ」と言ったところ、(まだ目が見えないと思っている)介護者から「何故、時間が分かるの?」と質問をされ、時計が見えることを伝えたところ周りからビックリされたとのことでした。

治療40回目まで治療を行ったのですが、目が見えるようになり、自分のしたいこと等の意見をはっきり伝えるようになったため、介護者が自分の意に沿わないとわかると暴れたりするようになり、通院の付添をしてくれる人がいなくなり治療の途中で中止となりました。

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