【症例32】多発性円形脱毛症/約1年で完治

多発性円形脱毛症

患者さんが疑っている病名  
病院で告げられた病名 多発性円形脱毛症
診断名 多発性円形脱毛症
既往症 不安神経症、自律神経失調症、不眠症

概略

30代、女性。
アレルギー体質で、鼻炎と花粉症の持病がある。

1日20本程度の喫煙歴10年程度。パソコンは週に3日程度、趣味で1時間くらい触る程度。


1日100本以上の抜け毛が続いていた。頭皮が透けて見えるようになり、治療を始める。

来院時に、頭皮は硬く緊張感があった。皮脂は多く、フケも多い状態。

毎日1回、薬用シャンプーを使用していた。

治療は、皮膚科に通院。脱毛症以外の症状として、身体がだるい、疲れやすい、手足がほてる、胃が重たい、便秘などがあった。寝つきは非常に悪く、夜に目が覚めることが週に3回程度と頻繁にある。

症状が出る前に、ストレスで食欲がなくなり体重が2~3kg減っている。




病歴

年齢 病歴 治療法
32歳 来院する半年ほど前にトプシムというかなり強いステロイド剤を病院で処方される。

同時期に、10円玉程度の脱毛を発見。

1ヶ月程度で、ステロイド剤の使用を中止。



最初に抜けた部分が少し生えてくるが、他の部分に円形脱毛症が多発して、広がってくる。

2ヶ月後、脱毛が全体に広がる。


3ヶ月後、ステロイド剤を再度、使用する。

セファランチンという飲み薬が追加される。



4ヶ月後、ステロイドは使用と中止を繰り返す。

飲み薬は毎日服用。



他の鍼灸院で脱毛症の治療を開始。



半年後に、当院へ来院。
 

治療の経緯

来院されたとき、多発性円形脱毛症と思われました。抜け毛は殆どが萎縮毛で、円形脱毛症としては特殊な抜け毛でした。抜け毛から脱毛症になった自分の将来にかなりの不安を感じており、自律神経失調症と不安神経症の疑いがあると診断されていたそうです。頭、肩、背中のこりが強いのに、本人のこりの自覚は全くありませんでした。頭皮の油脂がかなり多く、1日2回、普通のシャンプーに変えるように指導しました。

脱毛症が発症してから、毛髪のことしか考えられなくなり、家事、育児に気が回らなくなってきたそうです。

当院に来院された際、早く治りたいとのことで毎日通院を希望され、週に6日の通院となりました。治療2回目に、精神的に楽になってきたとの話がありました。タバコは毛髪及び体に悪いということを理解され、タバコを止める決心をされました。

5回目の治療の際に、抜け毛の多い時とない時があるようになりました。

次の6回目の際に、家事が普通に出来るような程度までやる気が戻ってきたと話をされていました。

治療が進むにつれ、背中や後頭部の筋肉のハリ感がかなり軽減され、寝つきもよくなってきたとのことでした。10ヵ月後、円形脱毛症がなくなり、抜け毛も1日30本以内に症状が緩和されてきました。治療開始後から、約1年で完治されました。

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