一時間半の昼寝は一晩分の睡眠に等しい

春はつい居眠りをしてしまう季節。世界には台湾、スペインなどのシエスタのような昼寝の習慣もありますが、勤勉が美徳な日本のビジネス社会ではサボリと思われがち。しかし2013年2月、昼寝研究の第一人者であるカリフォルニア大のサラ・メドニック氏が「一時間半の昼寝は一晩分の睡眠に等しい」と発表し、昼寝擁護論に注目が集まっています。

昼寝はそこまで効果的なのでしょうか? 昼寝の研究をしている久留米大学医学部・精神神経科の内村直尚先生によりますと

「昼寝には疲労を回復させる効果があります。福岡の明善高校では、5年前から毎日15分間の昼寝を取り入れているのですが、センター試験の成績が上がる、現役の東大合格者が増えるなどの効果が出ています。昼寝をすることで集中力が高まり、個々の持っている能力を引き出しやすくなっているのでしょう。さらに夜の睡眠を深くする効果もあるので、睡眠不足も解消できます」

日本は不眠大国ですから、残業、接待、長時間通勤などによる慢性的な睡眠不足を補うためにも、積極的に昼寝を取り入れたいですね。とはいえ、仕事中に「お昼寝します」とはなかなか言えません……。

「人目が気になる方には、ビジネス街を中心に増えている“昼寝サロン”がおススメ。ここは文字通り寝る場所を提供するスペースです。そんな時間もない方は、電車での移動中に目を閉じるだけでも脳は十分リフレッシュできますよ。より効果的に昼寝するには、午後1時頃まで(午後2~4時の最も眠くなる時間帯より前)に、15~30分ほど寝るのがベスト。

ただ 「寝る前にコーヒーなどのカフェイン飲料を飲むとすっきり目覚められるとは錯覚です、要注意です!」

日本大学医学部の調査では、労働者の睡眠不足による生産性の低下が日本経済に及ぼす損失は、年間3兆5000億円にのぼるのだそう。

昼寝する事でストレスもかなり解消されますし、アルツハイマーや心臓発作も抑制されます。健康でアクティブに生きるためには、昼寝を制すものが人生を制す!?」

【1日10~30分】昼寝の効果 能率向上、認知症予防にも

「眠くて限界という時に15分仮眠します。効果は絶大で、驚くほど仕事効率が上がります」

昼寝効果が見直されている。安全性や社員の健康維持、仕事の効率を高める観点から、勤務時間内に積極的に取り入れる企業も出てきた。

A社が2012年から導入し、内勤社員の3分の1が日常的に利用する。同社担当者は「パワーナップは働きやすい環境作りのために導入したもので、業績向上が目的ではありません。社員には仕事効率が上がると好評で、関連は不明ですが、業績も伸びています」。

昼寝を導入する企業は増えている。IT企業「GMOインターネットグループ」は、昼休みの午後0時半から1時間、大会議室にリクライニング椅子を並べ、昼寝スペースとして開放する。JR東海も、運転の安全性維持の観点から、運転士や車掌らに仮眠を推奨し、仮眠室も設ける。

睡眠不足は、脱毛症、体温調節、免疫系、循環系、高血圧や糖尿病等生活習慣病などの病気やうつ病につながる。だが、経済協力開発機構(OECD)の09年の調査では、日本人の1日平均睡眠時間は7時間50分。調査対象18カ国の中、7時間49分の韓国に次ぐ2番目の短さだ。
厚生労働省が3月に示した「睡眠指針」では、睡眠不足を補うために短時間の昼寝は望ましいとし、眠気が生じた場合は30分以内の昼寝が効果的とした。

昼寝の時間は季節や年齢によって異う。効果が成人(20歳~50代)なら20分程度、55歳以上だと30分程度、小学生~高校生は40~60分が良いでしょう。長いと目覚めても睡眠の影響が続き、仕事効率が低下するからだ。夜間の睡眠に響かないよう、午後5時(高齢者は同3時)までに取るのがよい。
姿勢も重要だ。一番良いのは勿論横になること。できなければ リクライニング式の椅子に座り、背もたれの角度を60度程度取った姿勢だ。リクライニング椅子がなければ、壁際にオフィスで使う椅子を置き、壁に頭をもたせかけて寝る。ネックピロー(首枕)を使い、しっかり頭を固定するのがポイント。机の上に伏せて寝る場合は、胸を圧迫しないよう厚めのクッションを使う。

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